価格戦略の作り方

この記事の著者

工藤聡生 
銀行、国際会計事務所勤務を経て開業。資金調達、事業計画による業績向上を支援している。早稲田大学政経出身、公認会計士・税理士。

事業計画書においては、価格戦略を明確にしなければなりません。
価格は、競合他社との差別化を計るための重要な戦略であると同時に、会社の収益を決定する重要な要素でもあります。
価格の設定の仕方次第で、競合に勝つか負けるかが決まる上に、会社の儲けの金額まで決まってしまうので、価格の設定の仕方には細心の注意を払わなければなりません。

▼中小企業の価格設定戦略

よく、マーケティングの教科書には、「顧客が適正と定める金額」という考え方が紹介されています。
お客が受け取る付加価値に見合うレベルに価格を設定できるという発想です。
この考え方は、中小企業には当てはまりません。
中小企業には、ブランドもなければ強力な営業部隊もありません。
商品・サービスが差別化されていたとしても価格を高く設定することはできません。価格は、常に、競合他社より安いか、最悪の場合でも同額でなければ、中小企業は、生き残ることはできません。

▼原価を考慮する

しかし、かといって、原価が回収できないレベルに価格を設定すれば、会社はやっていけません。
商品・サービスを提供するための原価がどれぐらい発生するかを予測し、それを回収できるレベルに価格は設定されなければなりません。
ただ、商品・サービスの原価を分析するのは、予想以上に難しいことです。
製造個数、稼働率によって原価は変わってくるからです。製造個数、稼働率が上昇するに応じて単位当りの原価は、減少します。
コストを予測する際には、売上予測をなるべく正確に立て、製造個数や稼働率を的確に予測し、原価の単価を正確に計画する必要があります。
この計画がはずれると、原価が回収できずに赤字となったり、価格を高めに設定しすぎて、競合との競争に負けてしまったりしてしまうことになります。
ですから、将来発生する費用や売上個数を予想・計画することはとても大切なことです。それが、単位当り原価を的確に見積もり、価格を適正に設定するためには、不可欠な作業だからです。
費用や売上を見積もる作業は、損益計画を作る作業の一部です。後述の損益計画を作る作業は、原価を予測し、価格を正確に設定するためには、とても大切な作業です。

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