工藤聡生
銀行、国際会計事務所勤務を経て開業。資金調達、事業計画による業績向上を支援している。早稲田大学政経出身、公認会計士・税理士。
経営ビジョンとは?
事業計画書においては、経営理念に続いてビジョンも明確にする必要があります。
ビジョンと経営理念を混同される方がいますが、この二つは、全く異なる概念です。
経営理念は、使命感の記述であるのに対して、ビジョンは、その会社がたどり着く理想像です。
ビジョンとは、「ある事業や地域でナンバーワンになりたい」とか、「5年後に○○千万円の売上を達成する」とかいった、到着目標です。
事業計画書でビジョンを明確にすることには、意味があります。
到着点が明確化かどうかで、人々の集中力は大きく変わってくるからです。
例えば、ワタミの渡邉美樹社長は、「社長になる日」とか、「東証一部に上場する日」を手帳に書き込んでいたそうです。渡邉社長は、「イメージが潜在意識に入り込むことで夢は実現する」とおっしゃっています。
事業を始められる方は、必ず、ナンバーワンとなるビジョンを描いてください。
「小さな会社なので、ナンバーワンなんて無理だよ。」おっしゃられる経営者もいらっしゃいますが、それは違います。
わたしの姉は、群馬の七日市という町で英会話塾をやっていますが、彼女の目標は、「町で一番、生徒の英語力を伸ばせる英語塾」です。姉一人の会社なので受け入れられる生徒の数に限度があり、売上ではほかの英語塾には勝てませんが、顧客の評価ではナンバーワンを目指すつもりでいるのです。たったひとりの会社でも、ナンバーワンは目指せるのです。田舎町の零細企業でもナンバーワンは目指せるし、実現できるのです。
ターゲットとする顧客層、地域で、差別化された商品・サービスを提供することによって、ナンバーワンというビジョンを実現することは、誰にも可能です。
なにかでナンバーワンにならないと事業の継続はとてもつらいものとなります。
この分野のこういった商品・サービスならうちが一番だというビジョンを描ける事業をぜひに構築してください。
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