資金がなくなった時に、支払を止める順序

この記事の著者

工藤聡生 
銀行、国際会計事務所勤務を経て開業。資金調達、事業計画による業績向上を支援している。早稲田大学政治経済学部卒、公認会計士・税理士。

万策尽きて、どうしても資金繰りができなくなったら、支払いを止めなければなりません。
お金がない以上は、頭を下げて理解を求め、延べ払いにするか、あるいは、支払いを待ってもらうしかありません。
支払いにもいろいろと種類がありますが、会社の支払いは、次の5つに分類できます。

  • 銀行借入の返済
  • 経費
  • 買掛金
  • 人件費
  • 税金、社会保険料

みなさんならどこから支払いを止めますか?
難しい選択です。
支払いを止めても支障がない相手先などありません。
しかし、資金が底をついた以上は、そのなかでも重要性を決める必要があります。

銀行借入の返済を優先させる経営者が少なくありません。銀行というと大きくて恐ろしそうだし、個人でも連帯保証しているのでさらに怖さを感じるのでしょう。
しかし、それは誤りです。
支払いストップの優先順位の正解は、銀行借入の返済、税金・社会保険料、経費、買掛金、人件費の順です。
銀行は経済的な合理性があれば、返済額の減額に応じてくれます。

税金・社会保険料も同様です。
経費で受けるサービスは、商品、製品や社員ほどには経営上は重要ではありません。

仕入先も経済的に合理的であれば、支払を猶予してくれるかもしれませんが、人は給料が遅配になったら、おしまいです。
給料は、生活原資なので、遅配になったらすぐに働いてくれなくなる恐れがあります。
社員がいなくなったら、その時点で会社は実質的に消滅します。
ですから、人件費の遅配は、最後に来ます。
社員に甘えてこの順番を間違えると大変なことになりますので、注意してください。

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