工藤聡生
銀行、国際会計事務所勤務を経て開業。資金調達、事業計画による業績向上を支援している。早稲田大学政経出身、公認会計士・税理士。
制度融資を使って金利を安くする
金利を安くするには、複数の銀行を競わせるべきだという記事を以前に書きました。
それ以外に、金利を安くする方法があります。
制度融資です。
制度融資は、信用保証協会と地方自治体がバックアップする公的な融資制度です。
信用保証協会は、中小企業が銀行からお金を借りる際に、債務を保証することによって資金調達を円滑化してくれています。
制度融資とは、この信用保証協会の保証に、さらに地方自治体の支援が加わる融資制度です。
都や県、市町村区が、あっせん、利子補給、信用保証料の補助を通じて、信用保証協会の保証をさらに利用しやすくしてくれているのです。
制度融資の場合には、金利が決めてられていることが多く、その水準は、信用保証協会の一般的な保証の場合よりも低くなっています。
さらに利子補給や保証料補助をしてくれる融資制度もあります。
制度融資は、知らないと損をします。
銀行マンが、金利の一番安い制度融資を教えてくれるとは限らないからです。
金利の高い一般的な保証を薦めてくることもあります。
自助努力が不可欠です。
会社のある都、県、市区町村のホームページを必ずチェックするようにしてください。
ただ、制度融資も良いことばかりではありません。
経営相談員の相談や面談を条件とすることがあり、ちょっと手続きが煩雑な場合があります。
計画的に融資をうける余裕があるのであれば、問題はありませんが、時間的な余裕がない方には、ちょっとストレスがかかることもあります。
とくに創業融資の場合には、相談が数回に及ぶこともあり、相談が終わるまで1ヶ月近くかかることがあります。
創業者の多くは創業資金がないと創業できません。
経営相談員への融資相談に1ヶ月もかかったら、創業が1ヶ月遅れます。
その間は、売上がたたないのに経費は発生します。
役員報酬(経営者の生活費)、地代、人件費といった経費がかかってしまい、へたをすれば創業前に資金がそこをついてしまいます。
創業者は、経営相談員の相談を不要とする制度融資を活用するようにしてください。
たとえば、東京都の創業融資制度は、経営相談員への融資相談は、要件とはされておらず、スピーディに創業資金を調達することができます。
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