
工藤聡生
銀行、国際会計事務所勤務を経て開業。資金調達、事業計画による業績向上を支援している。早稲田大学政治経済学部卒、公認会計士・税理士。
工藤聡生
銀行、国際会計事務所勤務を経て開業。資金調達、事業計画による業績向上を支援している。早稲田大学政治経済学部卒、公認会計士・税理士。
ストックオプションとは、あらかじめ決められた一定の価格で、会社から株式を購入できる権利です。購入した時の時価が、あらかじめ決められた価格を上回っていれば、その値上がり益が、権利所有者の利益となります。
会社法上は、新株予約権といわれています。
ストックオプションは、優秀な人材を確保するのに有効です。
会社に財務的余力がなくて十分な報酬を払えないときに、ストックオプションによって、将来の高額のリターンを期待させることができるからです。
優秀な人材にとっては、自分が会社に貢献し、会社を大きくして会社の価値を上げれば、ストックオプションによる報酬を実現できるので、モチベーションが高まります。
株式は魔物のような力をもっています。実際に、ストックオプションは、社員を引き止めるのに絶大な力を発揮します。新株予約権を与えられるとそれを振り切って会社を辞めるのはとても難しくなります。行使できるまで頑張らないと、それまでの貢献が無駄になってしまうからです。
そのため、株式公開を目指す、多くのベンチャー企業において導入されています。
ストックオプションは、従業員の動機付け以外にも、オーナーの支配権維持や資金調達などの目的のために活用することができます。
以下においては、二つの典型的な活用方法について概説します。
【事例】
ストックオプションは、財務的余力のないベンチャー企業が、役員や従業員の業績向上への貢献意欲を強くするためによく使われます。典型的な活用法を説明しましょう。
これが、ストックオプションの仕組みです。
ストックオプションの最大の特徴は、会社は1円も現金を払っていないのに、社員は、報酬として多額の現金を手に入れていることです。
ストックオプション制度を活用すれば現金を払うことなく、優秀な社員に多額の報酬を与えることができるのです。
多額な報酬を与えることができるということは、優秀な人を会社に迎えることができるということです。人材不足のベンチャー企業にとっては願ってもないことです。
むろん、会社が株式公開に成功しなければ、ストックオプションは単なる「紙切れ」となってしまうリスクがあります。ただ、やる気のある人材であれば、自分の力で会社を大きくして株式公開を果たしてやろうと思ってくれるはずです。マイナスではなくプラスに働きます。
株式公開をする企業の平均的な規模は、それほど大きくはありません。
最近は、20人程度の会社でも株式公開を実現しています。
大企業と違って、ひとりひとりの力が経営において大きな意味を持っています。ストックオプションによって優秀な社員を1人雇うことができ、かつ、その意欲を喚起して、能力を120%引き出すことができれば、会社を成長させる強力な牽引力とすることができるのです。
【税制】
【税務対策】
【そのほかのポイント】
【事例】
資金が不足したときにベンチャーキャピタルや投資家から大量の資金調達をしてしまい、創業者の持分比率が低下してしまうという事例は多々あります。
多くの場合、創業者自身にお金がないので、増資することはできません。
いつ、ベンチャーキャピタルから会社を追い出されるかわからないという状況に置かれてしまいます。これは、会社にとってはよくないことです。
この場合には、ストックオプションを発行しておいて資金ができたときに持分比率を上げてゆくしかありません。
ただ、このスキームの前に税制が大きく立ちはだかっているのです。
【税制】
ストックオプションの付与対象者が、発行済株式の3分の1(未上場会社の場合)を超えて株式を所有している場合は、税制適格とならないために、最高55%の税率で給与課税されてしまいます。
仮にすでに大幅に持分比率を失い大株主ではない場合も、持分比率の回復を急がざるを言えない場合には、権利行使額の合計は、1年間に1,200万円という制適格の上限を超えてしまうことがよくあります。そうなると税制適格に該当せず、同様の重い課税がされてしまいます。
しかも課税されるタイミングは、権利行使時点なので、株式はまだ売却されておらず、納税するための資金が手元にないのです。
株式を会社から発行してもらった時点で多額の課税がされてしまったが、まだ、株式を市場で売却しているわけではないので、税金を払う現金がないという状況におかれてしまうのです。
【税務対策】
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