売掛金、在庫、前払費用等に関わる節税対策

この記事の著者

工藤聡生 
銀行、国際会計事務所勤務を経て開業。資金調達、事業計画による業績向上を支援している。早稲田大学政治経済学部卒、公認会計士・税理士。

在庫、売掛金、前払費用といった資産は、評価を下げることができれば、その分だけ、経費化するので、節税となります。

陳腐化した商品は、売れ残っていても経費にできます

季節商品などの流行性の強い商品、モデルチェンジにより売れ残った商品は、通常の価額で販売することはできません。
陳腐化した商品が売れ残った場合には、時価まで評価減をすることができます。
売れていなくとも、取得価格と時価との差額を経費にすることができるのです。
この場合、時価の妥当性が税務調査において問われることがあります。
販売実績やライバル店のチラシなどから、客観的に時価を推定するようにしてください。
時価にしっかりした根拠があれば、その時価が不適切であること立証する責任は、税務署側にあります。
根拠を残しておけば、まず、否認されることはありません。
この節税方法は、追加的な現金支出を伴いませんので、キャッシュフローの面からも効果的です。

健全な売掛金も評価減できますー貸倒引当金計上で節税

中小法人は、期末の売上債権額に法定繰入率を乗じた金額を「一括評価の貸倒引当金」として費用計上できます。 

回収できない売掛金や貸付金については、貸倒損失と個別評価の貸倒引当金を計上しましょう

回収が危ぶまれる債権は、一定の要件を満たすことによって、損金として処理し、税金を減らすことが可能です。

家賃や利息を前払いして、費用処理する

地代、家賃、信用保証料、保険料、ロイヤルティ、支払利息、手形割引料は、翌期1年以内の役務に対する対価であっても、決算日ちかくに支払っていれば、経費となります。
法人が継続的に役務の提供を受けている場合に、翌期以降の役務に対して対価を前払いしたときは、次の要件を満たせば、当期の経費として認められます。

  • 契約に支払い時期が定められていること。
  • 支払った日から1年以内に役務の提供を受ける。
  • 継続して支払ったときに損金にしている。
  • 受けている役務が、等質等量である。
  • 時の経過に応じて費用化されること。

まず、契約にそった支払いでなければなりません。契約上、支払い時期が来てないのに、前払をしても、経費にはなりません。ですから、この節税手法を使いたいときには、契約上の支払時期を調整する必要があります。
次に、3月決算の会社で、2月に翌期1年分を前払いした場合のように、支払時点から1年を超えている場合には、経費化は、認められません。この場合は、3月末に支払う必要があります。
この会計処理は、継続する必要があります。継続すべき期間は、3~5年とよく言われています。その間は、この会計処理を継続する必要があります。
また、受ける役務は等質等量でなければなりません。弁護士や税理士への顧問報酬は、毎月のサービスが等質等量ではないので、適用されません。
さらに、時の経過に応じて費用化するものである必要があります。例えば、年間広告掲載料は、時に経過に応じて費用化されないので前払しても経費処理はできません。
重要性の原則も適用されるので注意してください。税法には明文で規定されていませんが、支払額が、法人の財務規模に比して重要性が乏しい必要があります。会社の財務内容から判断して、あまり大きな金額を経費処理すると否認されます。平成12年1月25日の長崎地裁の判決でも、売上に対する割合が常識的に考えて大きすぎたために、納税者が敗訴しています。

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