銀行や信用金庫の選び方

この記事の著者

工藤聡生 
銀行、国際会計事務所勤務を経て開業。資金調達、事業計画による業績向上を支援している。早稲田大学政経出身、公認会計士・税理士。

どこの信用金庫や銀行と付き合ったらよいか迷っている方は少なくないでしょう。
わたくしどももどこの銀行がよいかと聞かれることがよくあります。
融資を引き出せるかどうは、その銀行の支店長や担当者の姿勢といった個別要因にも影響されますので一般的に優劣を付けるのは難しいのですが、財務体質の良い銀行のほうが、融資に積極的な傾向があります。
信用金庫や銀行にも儲かっている銀行とそうでない銀行があります。
いわゆるメガを言われる3行でさえ、財務力には差があります。
自己資本比率が低かったり、あるいは、不良債権比率の高かったりする銀行は、融資に積極的な姿勢をとりづらいです。
自己資本比率の悪化を防ぐには、短期的には、貸付金総額を抑える必要があります。
貸付金総額を増加させると、総資産が増加するので自己資本額が同じであれば、自己資本比率は悪化してしまうからです。
銀行は自己資本比率が一定値以下まで落ちると金融庁に是正措置を発動されてしまうので自己資本比率の維持は、絶対的な経営目標です。
自己資本比率や不良債権比率は、銀行や信用金庫のホームページで情報を公開していますので、簡単にチェックすることができます。
不良債権比率が高く、貸出金総額が減少傾向にある銀行や信用金庫に借入を依存するのは、慎重に検討したほうがよいでしょう。
貸付金総額を抑えることを、役所は遠まわしに経営合理化を実施していると表現しています。
いわゆる「経営合理化」を進めている銀行や信用金庫は、中小企業庁のサイトで公開されていますので、参考にしてください。
メイン銀行にするつもりの銀行が、経営合理化に取り組んでいたりすれば、肝心のときに事業資金を貸してもらえない恐れがあるので、要注意です。
今後は、銀行の不良債権比率は急増するだろうといわれています。
表面的に今の数字はよいが、潜在的に不良債権を大量に抱えている銀行は、少なくないと言われています。
現在の比率だけでなく、収益率や不良債権比率の推移に着眼するべきでしょう。
不良債権が増加傾向にある銀行や信用金庫は要注意です。
最新の財務状況をホームページでチェックしておいたほうがよいでしょう。

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